2023.06.12
一般財団法人LINEみらい財団(以下、LINEみらい財団)は、GIGAスクール構想※下の教育現場における情報モラル教育の実施状況等について把握することを目的に、全国の小学校・中学校・高等学校の担任または副担任を務める教員と保護者を対象とした調査を実施しました。その調査結果の一部を速報として公開します。
※ GIGAスクール構想について https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_0001111.htm
【調査サマリ】
GIGAスクール端末を「月1回程度」以上使用しているのは全体で約8割と、多くの学校で定期的に活用されている
年間における情報モラル教育の実施時間は、「2時間未満」が約5割、「行っていない」という回答は約2割
情報モラル教育の実施時間が足りていないと感じる教員が4割以上いる一方、実施時間を増やすこと自体が難しいという回答が半数近くに上る結果に
■GIGAスクール端末の使用頻度
担任・副担任を務める教員に対し、GIGAスクール端末をどのくらい授業で使っているか聞いたところ「月1回程度」以上が約8割と、多くの学校で定期的に活用されている結果となりました。また「週1回以上」、「週3回以上」をあわせた回答は全体で6割以上となっています。
■情報モラル教育の実施時間
2022年度中に情報モラル教育をどのくらい行っていたか聞いたところ年間「1時間以上~2時間未満」が34.8%で最も多く、「1時間未満」と合わせると約5割となりました。また、情報モラル教育自体を「行っていない」という回答については19.6%という結果でした。
■情報モラル教育に対する意識
担当する学級において情報モラル教育は必要と思うか聞いたところ、「そう思う」「ややそう思う」という回答が全体で約8割となりました。
続いて、情報モラル教育の時間数は足りていると思うかという質問については、「そう思う」「ややそう思う」という回答が約2割、「そう思わない」「あまりそう思わない」が約4割でした。多くの教員が情報モラル教育の実施が必要と考えている一方、実施時間が足りていないと感じる教員が比較的多いという結果になりました。
その上で、現在の時間割の中で情報モラル教育の実施時間をどのくらい増やすことが可能か聞いたところ、「増やすことが難しい」という回答が44.5%と最も多くなりました。情報モラル教育の実施時間が足りていないと感じる教員が比較的多い一方で、実施時間自体を新たに捻出することは難しい教育現場の状況がうかがえます。
本調査の全体的な結果については報告書にまとめ、2023年秋頃に公開することを予定しています。
■調査概要
調査委託先:株式会社モニタス
調査監修:多摩大学情報社会学研究所
調査対象:①全国の22~64歳の教員(公立および私立の小学校・中学校・高等学校の担任、副担任)、②全国の25~59歳の保護者(公立および私立の小学校・中学校・高等学校)
実施時期:2023年3月17日~4月2日
回答者数:①1000、②1000
■活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」について
LINEみらい財団は、GIGAスクール構想の中でより重要となっている「情報モラル」と「情報活用」の育成や向上を図るため、活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」をソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社と共同で展開しています。
本教材は「ビギナー(小学1~3年生向け)」「スタンダード(小学4~6年生向け)」「アドバンスド(中・高校生向け)」に分かれており、児童・生徒の発達段階にあわせて活用いただけます。また、本教材では、各学校の状況に応じて柔軟に時間割の中に組み込めるよう、45分で情報モラルを学ぶコンテンツと、15分で活用スキル等を学ぶコンテンツを用意しています。
「GIGAワークブック」の詳細についてはこちらのページをご確認ください。
https://line-mirai.org/ja/activities/activities-moral
■「GIGAワークブック(スタンダード)」ダウンロードお申込み
本教材をご希望の方は以下のフォームからお申し込みください。
https://linecsr.my.salesforce-sites.com/materials
LINEみらい財団は今後も、教育現場や社会の変化に応じた情報モラル教育等に取り組み、子どもたちがデジタル社会で生きる力を養うことを支援してまいります。