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LINEみらい財団、神奈川県警察および神奈川県教育委員会と、情報モラル教育教材「SNSの上手な使い方を考えよう!」をリリース

2021.06.23

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協定により実施した県内の児童・生徒のネット利用実態調査結果をもとに、自律的な判断力・適切な行動力を身に付けることを目的に開発


一般財団法人LINEみらい財団(所在地:東京都新宿区、代表理事:奥出直人、江口清貴、以下LINEみらい財団)は、神奈川県警察および神奈川県教育委員会と共同で、SNSのトラブルを防ぎ、対処する方法を学ぶための教材「SNSの上手な使い方を考えよう!」を開発し、本日より提供開始しますので、お知らせいたします。



LINE株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:出澤剛)は、2018年5月21日に、神奈川県警察および神奈川県教育委員会と、インターネット利用に起因した、いじめや非行・被害、トラブル等を防止するため、情報モラルの向上と規範意識の醸成を図ることを目的に、「インターネットに起因した非行・被害等の防止対策に関する協定」*1(以下、本協定)を締結いたしました。

本協定の一環で、神奈川県教育委員会と実施した「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」では、児童・生徒を対象として、また、神奈川県警察と実施した「ネット利用に起因した非行・被害児童等のネット利用実態把握を目的とした調査」では、ネット利用に起因して主に性的な非行・被害、サイバー補導等に至った未成年を対象として、トラブルに至ってしまう要因(年齢要因、環境要因、ネット利用実態等)について幅広い情報を収集し、分析を行ってまいりました。*2

これらの調査結果をもとに、このたび情報モラル教育教材「SNSの上手な使い方を考えよう!」を、東洋英和女学院大学講師 酒井郷平氏*3に協力をいただき、開発いたしました。

【教材の特徴】
◆ポイント① 児童・生徒のトラブル実態にあわせてアレンジ可能な教材
従来の情報モラル教材では、はじめから終わりまで授業の流れが決められており、実際の学校現場で見えてくる実態に合わせにくいという課題があったため、本教材では、より実態に即した指導を行えることを念頭に置き、授業者によって内容のアレンジが可能となるモジュール型教材としました。
具体的には、調査結果から特に教育の必要性が見られた7種類の内容(「被害を小さくする方法」/「トラブルの大きさによる対応方法」/「写真の送り方」/「写真からわかる情報」/「上手な伝え方」/「相手の情報」/「自分と相手の違い」を考えてみよう)からなる、それぞれ約15分のワークを組み合わせることで、子どもたちに考えさせたい内容や身につけさせたいスキルをイメージしながら活用いただくことを可能としています。

◆ポイント② 「リスクマネジメント」と「クライシスマネジメント」の視点
これらのモジュールは「リスクマネジメント」と「クライシスマネジメント」の2つの視点で分類され、それぞれ、被害にあわないようにする方法とトラブルにあった際に被害を小さくする方法を学べる内容となっています。単にトラブルに気をつけることを学ぶだけではなく、自律的な判断をもって適切な行動ができることを目指します。

◆ポイント③ 学習者に「トラブルの当事者になりうる自覚」を促す
具体的な事例を用いたワークを通じて積極的に考え、他者の多様な意見や価値観に触れることで、学習者に「自分もトラブルにあうかもしれない」という自覚を促すことを目指します。



本教材は、神奈川県警察のホームページから、どなたでも閲覧・活用が可能です。
「SNSの上手な使い方を考えよう!」ダウンロードサイト
http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesd5053.htm


【東洋英和女学院大学 講師 酒井郷平氏 コメント】
よく学校現場の先生方から、「情報モラル教育を行う時間がない」、「自分たちより子どもたちの方が詳しいのではないか」といった声を耳にします。
情報モラル教育は、日常的なモラルと同様に一度で全てが身につくわけではなく、また、全てに明確な正解があるわけではありません。
本教材は、こうした点も考慮し、授業者が内容をアレンジしながら継続的に指導しやすく、学習者と一緒になって考えられる教材を目指しました。ぜひ日常的な子どもたちへのご指導のお役に立てていただければ幸いです。


本教材を活用して、神奈川県内の小学校、中学校及び高等学校等の児童・生徒向けに、教員や県警職員等が授業を行ない、情報モラルの向上と規範意識の醸成を図ります。

引き続き、LINEみらい財団では、子どもたちへの教育を通して、未来のデジタル社会をより安心・安全で便利なものにすることを目指してまいります。



*1:詳細プレスリリース https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2205
   なお、本協定は、現在はLINEみらい財団に移管しております。

*2:各種調査は経年で実施し、下記の報告書を発表しております。

  ■青少年のネット利用実態把握を目的とした調査 / 神奈川県教育委員会・LINEみらい財団
   ・平成30年度報告書 (2019.3.29発表)  https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2019/205 
   ・令和元年度報告書 (2021.4.16発表)  https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2021/367 

  ■ネット利用に起因した非行・被害児童等のネット利用実態把握を目的とした調査 / 神奈川県警察・LINEみらい財団
   ・平成30年度報告書 (2019.8.8発表)  https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2019/221 
   ・令和元年度報告書 (2021.4.16発表)  https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2021/368

*3:東洋英和女学院大学 講師 酒井 郷平(さかい きょうへい)
静岡大学大学院博士課程修了、博士(教育学)。東洋英和女学院大学助教を経て現職。専門は、教育工学、情報教育、授業デザイン。情報モラル教育を中心に、「現代的な課題」に関する教材開発や調査研究について工学的に研究している。主な著書に、『行動改善を目指した情報モラル教育―ネット依存傾向の予防・改善―』(2018)などがある。